既卒CAの前職は?【私の場合】では、学生時代の就職活動、新卒1社目の旅行会社での経験をお話しました。
そのまま旅行会社で頑張ってCA受験をすれば、合格への近道だったのかもしれません。
しかし、学生時代の就活中から心に引っかかっていた「ガイドブックを作る」という仕事に寄り道します・・・。
次の仕事に関しては、CA志望者の方の参考にはならないと思いますが、他業種にも興味のある学生さんにはインターンのヒントになる・・・かもしれません!
寄り道の番外編として、お時間があれば読んで頂けたらと思います。
逃げ?それとも挑戦?【ガイドブックの編集プロダクション】
そもそも、学生時代の就職活動時、自己分析も業界研究も完全に甘かった。
人生甘く見てました。
職種や仕事内容じゃなく「旅行が好き」という基準で仕事を選んでいたんですから・・・。
ガイドブックを作る
次に入ったのは、編集者とカメラマン合わせて10名ほどの、小さな編集プロダクションです。
誰もが知ってる超有名ガイドブックや旅行雑誌の記事を、実際に書いて編集する仕事でした。
初めはアシスタントとしてアルバイト扱い。
ライター兼編集者とカメラマンが取材に行って記事にしたものを見ながら、データに誤りがないか電話をかけて確認したり、誤字脱字のダブルチェックをしたり、デザイナーのオフィスや出版社に原稿などお届け物のお使いに行ったり・・・。
下働き的な事でしたが、ガイドブックができるまでの一連の流れや、どんな人達が携わっているのかが分かり、毎日とても面白かったです。
旅行会社の時と同じオフィスワークで、取り扱っている内容も同じく旅行でしたが、働いている人も雰囲気も全然違う。
前職では営業はスーツだったし、事務はスマートカジュアルでいわゆるOLでしたが、編集プロダクションでは皆ジーンズやTシャツなど好き勝手な服装。
専門職・クリエイティブ系なので違うのは当然なのですが、そういう仕事も人も、私にとっては新鮮でした。
みんな自分の意見を持っていて、自分の好きな事について語れる。自分の世界がある。
新人研修なんてものがあるわけでも無く、それぞれに抱えている仕事がたくさんあるので、皆黙々とパソコンに向かって作業。
締め切り前は特に忙しく、終電続きで皆さんピリピリした雰囲気、話しかけるのも憚られるほど。
何をすればよいか分からず、オドオドしながらお伺いを立てていました。
3ヶ月が過ぎ、やっとアルバイト扱いから卒業かな・・・と思っても、社長から何も言われず。
有限会社のワンマン社長で、気難しい人だったので、話しかけるタイミングを見計らいつつ、暫くしてから聞いてみると、「自由人さんはね~、まだ何か足りないのよ。まだ何も任せられない。」とのこと。
他の編集者さん達に聞いてみると、それもよくあることらしい。
もう少し辛抱することにして、更に3ヶ月が過ぎる頃、風邪をこじらせて体調を崩しました。
この会社では、アルバイト扱いだっただけに、健康保険にも入っていませんでした。
「好きなこと」をさせて貰っている、編集未経験から学ばせて貰っている立場から、「丁稚奉公だとでも思ってしばらく頑張ろう」と思っていましたが、お給料も生活していくのがやっとの額だったため、病気になった場合、保険適用外で治療を受けられるのかと考えると怖くなりました。
約束の3ヶ月が過ぎ、6ヶ月にもなろうというのに、放置されているという事実。
やりがいはあるし、「お金じゃない」とは思ったけれど、20代半ばの人生で一番輝いているはずのお年頃に・・・これでいいの?と思う自分もいました。
「次に話を濁されたら、よくあることだろうが何だろうが辞めよう」と思いました。
そして、社長と話し、その場で辞めると告げてその日に辞めてしまいました。
時間外に無休で残業するのも苦にならなかったし、仕事自体は面白く、頑張りたいと思っていたので残念でしたが、社長が言うように、私には何か足りなかったんだろうと思います。
寄り道よもやま話
他の編集者さんの話を聞くと、そもそもが「編集者」になりたかったのであって、ジャンルは旅行じゃなくても良かったという人も多かったです。
書くことへのこだわり、言葉へのこだわり・・・そういうところも「足りない何か」だったと思います。
そういうこだわりを持ってライターや編集者を目指してきた人たちは、やはり語彙も豊富だし、文章も上手で面白い。
本が好きでいろんな本を読んだり、好奇心旺盛でいろんなイベントに参加したり、物知りで引き出しが多い。
そういう人、私は大好きなのですが、自分自身かそうかと言うと、やっぱり何か足りなかった。
また、小さな会社だと、組合なんてものもあるはずもなく、全て社長次第。
今思うと、言われたことをやっていただけで「自分から食らいついていく感」が無かったので、社長としても物足りなかったに違いないと思います。
正直、CA受験には何の役にも立たない転職・・・不利になるだけの転職だったかなぁと思います。
現に、編プロ在籍中、その後入社することになる日系大手で既卒募集が出ましたが、仕事が面白かったことと、忙しくて受験準備する暇が無かったことから、受験しませんでした。
外資受験も一旦ストップ。
身なり構わず毎日ジーンズで女子力もダダ下がり。
当たり前の事なのですが、CAと編集者とでは業務内容も適性も全く違い、一貫性が無すぎて志望動機の説得力がなくなってしまいます。
どんな職種でも履歴書を見て職歴について聞かれるでしょうし、「なぜガイドブック編集?」「なぜCA?」と聞かれると、つながるのは「旅行が好き」という本音。
それがアピールポイントにならないどころかむしろ逆効果なことは、新卒CA受験時に身を持って学んでいたはずです。
そこで、短期間でアルバイト扱いの雇用形態、また、年をまたいでいなかったため、CA受験の時は、敢えて履歴書の職歴に書かず空白期間にしました。
面接で深堀りされると空白期間よりも形勢立て直しが難しいので・・・。
CAの仕事内容と接点のない職業の場合は、面接時の対処法をよく考えなくてはなりません。
興味のある仕事を実際に体験してみることができる・・・。さらに、自分に向いていないと思って辞めても、履歴書に職歴を残さなくても良い。
そう考えると、インターンシップって素晴らしいシステムですよね!?
今就活前の学生さんで、いくつかの業種・業界に興味がある人にとっては、インターンシップは職業体験の絶好のチャンスだと思います!
・・・とは言え、編集の仕事に挑戦したことに全く後悔はありません。
たった半年間でしたが、そんな短期間とは思えないほどの濃い経験ができ、「やってみたかった事」に挑戦出来て、充実感がありました。
「寄り道」って、意外な発見があったり、それまで見えなかった物が見えるようになったり、一概に無駄とは言えないですよね!?
「CAになる」という目的を達成するためには若干ネックになりましたが、「人生を楽しむ」という最大の目的のためには大いにプラスになったと思います。
「自分の好きな事や物」が何かを理解し、マニアックに調べて、自分の言葉で語れる人って、より深く人生を楽しめていると思うんですよね。
「良い物」をたくさん持っていてキラキラして見える人でも、その物の本当の価値を理解していなかったり、いろんなところに行ったことがあっても、観光地を表面的に見ただけだったり・・・。
私自身、一人旅が好きで、武勇伝的な体験談はいろいろありましたが、見えるものをそのまま見て知った気になっていた薄っぺらい部分も多かったと思います。
ブランド物を着ていなくても自分のスタイルを持っているオシャレな人だったり、引き込まれる文章を書く東大卒の繊細な編集者さんだったり・・・。
面白くて素敵な人達から大いに刺激を受けて自分を見つめ直すこともできました。
女子編集者のみなさんと夜通しで富士山に登ったり、都内のマニアックなお店を探索したり、楽しい思い出もたくさん。
そして、上手くは行かなかったけれど、やってみたかった事を実際にやって諦めがつきました。
次回はCA受験に照準をあわせて行きます!