「CAの仕事は潰しが効かない」と聞いたことのある人も多いと思います。
本当のところはどうなんでしょうか?
CA志望者にとっても、定年までCAとして飛び続けたいという人はそう多くは無いと思います。
今や女性にとって「結婚・出産」がゴールではない時代。
今身に付けておいたスキルが、数年後の自分の強い味方になるかもしれませんよ!
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CAを辞める理由
今回のコロナ禍では、続けたいにも関わらず退職を余儀なくされた方も多いだろうと思います。
辞める理由は人それぞれですよね・・・。
一方、イギリスの航空会社では、クルーとして働くための就労ビザが4年で切れるため、基本的にはそこで退職せざるを得ない状況でした。
また、他の外資系の会社で乗務していた友人は、ビザの更新が可能であっても、しばらく海外ベースで働いたら日本で落ち着きたい(仕事もプライベートも)と言っていました。
辞める理由によって、目指す職種も違ってきます。
体調が理由の退職
不規則な生活や、女性の職場特有のストレス、腰痛など体調不良で辞める場合。
早朝勤務に深夜勤務、更には時差もあり、時間の感覚がメチャクチャになってしまうこの仕事。
体調管理には気を使っていても、自律神経がおかしくなって眠れなくなったり、生理不順になったり・・・。
結婚後、妊活をはじめようにも月の半分は自宅に帰れなかったりもして、一般的な他の仕事と比べると難しいところ。
サービス業で転職を考えると、シフト勤務が多く、飲食やホテルの場合は夜の時間帯や夜勤など、なかなか規則正しい生活をするのは難しいのが実状です。
平日の9時-6時で働きたいのであれば、秘書や企業の受付などで、接遇スキルを活かせます。
必須なのは基本的なパソコンスキルとビジネスマナー。
更に英語力を引き上げれば、外資系企業で条件の良い会社でも働けて選択の幅が広がります。
ライフステージの変化に伴う退職
「仕事をひと通り経験して満足したから寿退社!」とか、結婚して妊娠、妊休から育休・・・そのまま育児に専念してフェイドアウト・・・というケースが私の周りでは1番多く、また、敢えて言えばこのケースが1番潰しが効かないタイプかなと思います。
新卒でCAの仕事しか経験せずに仕事から離れた場合は特に、主婦業、母親業・・・と家にいるうちに、世間から遠ざかってしまい、子育てをしながらできる仕事というのがかなり限られてしまいます。
逆に既卒CAの場合は、前職や前職同業他社に戻る人も。
面白いと思ったのは、「お教室」を主催したり、起業する元CAも多いこと。
私のイギリスでのワイン教室の先生も、元日系客室乗務員だった方ですし、その先生にお仲間に入れて頂いたシャンパンの会で知り合った紅茶の先生も元日系客室乗務員でした。
他にもフィニッシングスクール(花嫁学校的なもの)の先生や、テーブルコーディネートの先生など、元CAの方がやっているお教室がたくさんあります。
主婦層を相手にお教室を主宰する上では、その内容はもちろんですが、素敵なひと時を演出する接遇スキルと「元CA」というイメージは有効だと思います。
世界中飛び回って、本場でいろんな刺激を受けたり学んできたりしてきたはCAは、そんな所でも経験を活かせます。
結婚して旦那さんの駐在帯同で仕事を辞めざるを得なかった場合でも、現地の専門学校などで新しいことを学んで帰国後にお教室を開く方もいます。
フラワーアレンジメント、アロマセラピー、ワイン、アフタヌーンティー、お料理、テーブルマナー、ポーセラーツ・・・などなど、海外で学んだ事って、ちょっとした裏話や雑談的なことがとても面白かったりするんですよね。
ただし、自宅で開催する場合は、他人を家に入れることによるリスクもありますし、人にいろいろ噂される覚悟も必要ですね・・・。
また、セラピストやネイリストなどのスキルを得て開業する人も。
最近はコロナのせいもあり、YouTubeやブログ、ライターを始める人も多いですよね。
お教室にしても集客にはSNSやブログが必要ですし、今の時代、何をするにしても基本的なパソコンスキルは必須ですね。
退職・・・でもやっぱりCA
CA以外のお仕事・・・では無いのですが、航空会社間でのトランスファーはとても多いです。
同じ職業ではあるけれど、「なぜCAになりたいのか」という志望動機は人それぞれ。
より自分のライフスタイルに合った会社に転職した方が、仕事もプライベートも楽しめます。
今は日系もOG・経験者採用があるので、外資から日系へも有利に転職できます。
LCCからフルサービスの会社にキャリアアップする人もいますが、逆に外資時代(フルサービス)の元同僚の中には、外資系日本ベースのLCCに転職した人もいました。
乗務経験者に限り、採用の段階で客室責任者として募集があったり、LCCであっても社員用の(他社便も使える)特別な割引航空券を発券できたり・・・。
LCCに転職した同期の話を聞くと、日系フルサービスのガチガチに厳しい環境の中で、身も心も擦り減らして働くより良いかもしれないな・・・と思いました。
また、日系の中でも、元外資やママさんCAが多い会社もあり、スケジュールなどかなり融通がきくようです。
さらには、プライベートジェットに転職した同期も数名いましたが、恐ろしいスケジュール(お給料も凄いけれど)を聞いてたじろぎました。
そのうちの一人はシンガポールベースのプライベートジェットでひと稼ぎして、アメリカで訓練を受け自費でパイロットの免許を取っていました。
もう満足・・・と言って辞めていった人の中にも、結局また飛びたくなってエアラインに戻る人も結構います。
今はOG採用も多いので、体力さえあれば、子育てがひと段落した後でも戻ろうと思えば戻れるし、そう考えると、経験が生かせる専門職なんですよね。
その他の理由
今回のコロナ禍のように、辞めたくなくても辞めざるを得ない場合もありますよね・・・。
私もイギリスの航空会社での仕事は大好きで、本当はずっと働きたかったんですが、ビザが切れて辞めざるを得ませんでした。
会社にもよると思いますが、外資はけっこう自由なので、副業でしっかり稼ぎ、いつ辞めても大丈夫な人も。
現役なら本当に日々ネタに溢れてますしね。
日系現役はさすがにYouTubeや素性を明かしたブログなどは禁止されていますが、副業も可能になったことですし、今後いろんな方面で活躍される方が増えるでしょうね。
また、外資時代の先輩には、大学受験し直して帰国後歯医者さんになったり、同期の中にも大学院留学して翻訳の道に進んだ人がいたり、学び直して新たな道に進む人も。
CAの転職情報
一般向けの転職エージェントはもちろんですが、現役、OG/OBの方は、JCAA(日本キャビンアテンダント協会)の人材センターの求人などでもCAの経験を活かせる仕事、CA経験者向けの採用情報を探せます。
ちなみに、このJCAAと、前身となるスチュワーデス塾の塾長は、JALの元客室責任者・教官としても長年勤務されていた方です。
スチュワーデス塾に関しては、クルー経験が無くても志望者として登録できます。
CA志望者と現役CA、OG・OBへの愛にあふれた、無料かつ有益情報満載のサイトです。
外資系企業の秘書や受付、病院やマンションのコンシェルジュ、マナー講師など、クルーの仕事を通して培ったサービス技量を活かせる仕事の求人ばかりです。
外資系CA経験者であれば、海外経験者・語学を使った仕事への転職サイトも有利な条件の仕事が多くおススメです。
ポイントは、コミュニケーション能力+α
CAとして身につけた接客・コミュニケーションスキルは世間で需要がありますし、退職した同僚達も様々な分野で活躍しています。
私の場合は、実際に仕事を辞めて頼りになったのは、やはり英語力でした。
接客経験やコミュニケーション能力+α のスキル があれば、可能性はかなり広がります。
資格って取る意味はある?
内容にもよりますが、資格って取っても意味がないという方もいますよね。
確かに勉強する内容は、それほど実用的では無いかもしれません。
しかし、転職するには面接を突破しなくてはならず、面接では、ほんの短い時間の中で自分の出来ることについてアピールしなければなりません。
「CAとして働いていました。」という実績はあっても、あくまでサービス業としてのスキルしか証明できません。
実際にはパソコンが使えたとしても、ビジネスレベルの英語が話せたりビジネスマナーについて理解していても・・・実務で実績が無い場合、面接で証明するのは難しいです。
「資格を持っているから出来る」ということではなく、「勉強した」「関心・素養がある」ということをアピールするためのツールとして使えます。
私のCA後の仕事も、また機会があればお話しします。